わかめ屋からのスタート
ヤマキイチ商店は1989年に創業し会社設立は1991年です。創業、当初は三陸のわかめを中心に、販売致しておりました。創業当初から品物だけにはこだわってきたのですが、新参物として信頼がないため大変な苦労を強いられました。販路を見つけようと、全国各地に営業しにいくのですが、なかなか思うようには売れません。その当時は本当の家内産業でしたから、家族で朝早くから夜遅くまでわかめの袋詰めを行いました。そして販売は社長の仕事です。ある会社に行くと商品担当者に会うまで3時間も待ち、その上商談は僅か5分にも満たずに断られ又、ある市場に行くとトラックに積んでいる大切なわかめ(通常販売価格100万円相当)を市場の担当者は「2万円だったたら買うよ。」と言われたりもしたそうです。社長はその時に心の中で「お袋や女房が朝早くから、夜遅くまで一生懸命に仕上げたわかめなのに・・・・そんな値段で絶対に売ることは出来ない。」と思ったそうです。この時期は様々な苦労をした様でしたが、その苦労のお陰でその後色々な方にお世話になりながら、徐々にわかめ販売も軌道に乗って参ります。
偶然にホタテ販売をする事に
何で当店がホタテを販売する事になったかと言いますと、たまたま前浜で上がったホタテが大量にあまり、組合の職員からどうにかしてさばいて欲しいとお願されたのです。それで仕方なくと言えば表現は悪いですが、わかめをお売りしている市場の担当者にお願いして販売したのです。
その当時はホタテを活かして発送技術もやり方もわからなく、ただ単に海水を入れて発送したのです。そうすると思いの外評判が良かったのです。もちろん、現在のように100%活きたままお届けは出来なかったのですが、それでも他のホタテよりは良いと言う事で評判が良かったのです。
それで、本格的にホタテを販売するべく市場調査に乗り出したのです。
本来のホタテを召し上がって頂きたくて
社長がまず市場にどのようなホタテが入荷しているかを確認に、関東の市場に出向くと自分がいつも浜で見るホタテとは違う物が入荷しているのです。いつも見ているホタテと大きく違う点は、鮮度です。明らかにいつも地元で見るホタテとは違い、弱ったホタテが市場に多く入荷している事に気付いたのです。それと同時にお客様に地元にあるホタテの状態のまま届ける事ができたら、お客様にどんなに喜んで頂く事が出来るかと思い付きます。これが「泳ぐホタテ」作製への第一歩です。
試行錯誤を繰り返し、泳ぐホタテ誕生
当初の発送方法では約70~80%の確率で泳いだままお届けする事が出来たのですが、100%でなければお客様の満足度は高めれませんし、泳ぐホタテとして売り出す事も出来ません。100%の確率でお届けするため試行錯誤が続きます。社長が出張の度にホタテを車に乗せて試験をしてみました。初めのうちは、車で出発して30分もたつと活きが悪くなったり、夏場ですと死んでしまうホタテもありました。そして試行錯誤する事約2年間。ついに100%の確率で活きたままの「泳ぐホタテ」を完成する事が出来ました。完成の一番の要因はホタテの気持になって考えるという事です。人と接する時と同じ様にホタテのも接するのです。そうすれば、おのずとホタテを活かして発送する方法が分かってきました。企業秘密の部分もあるため詳細をすべてお話することはできませんが、こうして泳ぐホタテが誕生し、市場での評価は高く、築地市場始め全国の市場でも最高値でお取引される事になりました。そしてその後、全国放送始め、各メディアでも放送され、全国のお客様のご自宅への発送へ普及して参りました。
今までの常識を破ったからこそ、本質はマネ出来ない
泳ぐホタテが浸透するにつれて類似商品や同じようなうたい文句を目にする事も多くなってきましたが、表面上はマネできても、本質的なところまではマネ出来ないと思っております。それほどにこの「泳ぐホタテ」とは従来のホタテの発送方法を根本から変えたものだと思っております。
それに今までにない物を作り上げると言う意気込みのある方でしたら、マネをするのではなく、自分独自しか出来ない事にエネルギーを使うはずですからね。
今後とも一人一人のお客様方に喜んで笑顔になって頂けるように、日々の務めを妥協することなくやって参ります。
いつが食べ頃?